BLACK PINKかそれ以外か。
ここ最近、ブラックピンクにどっぷりハマっています。
1か月前までほぼ知りませんでした。
きっかけはNetflixで配信されていた、ドキュメンタリー。
正確には、このドキュメンタリーの渋谷駅に掲げられた広告。
けだるそうに佇む彼女たちのあまりのカッコ良さに、僕は曇り空の渋谷で時が停まったように見入ってしまいました。
広告としてのセンスの良さとかそんなのも当然あるんですが、この写真から伝わってくる演者として
「強さ」
がハンパじゃないと思いました。
「BLACK PINKかそれ以外か」
といわんばかりの物凄さ。
それが何かはっきり言い表せないけど、目が離せなくなる。顔がキレイとか、スタイルが良いとかファッションがオシャレとかの先にある骨太の本物感。
早速ボクは、YouTubeに触手を伸ばし歌い踊る彼女達の姿を目の当たりにしました。
ますます魅せられました。
この東京ドームの「Kill this love」は寝る前に必ず観るくらい好きです。
好き過ぎて目覚ましに使おうかと思いましたが、目覚ましに使って嫌いになるのが嫌なくらい好きになったので止めてしまいました。
露出の多い衣装で、めちゃくちゃ挑発的でセクシーなダンスをしてますが全然下品じゃありません。
女子のファンが多いのも頷けます。歓声もほとんど女の子の声です。
ジェニーのちょっと意地悪な小悪魔感、リサの底抜けの明るいキュートさ、ジスの儚げなキレイさ、ロゼの真っ直ぐで懸命なカッコよさ。
女の子の魅力って、もしかしてすべてBLACK PINKの中にあるんじゃないかと思います。
曲もめちゃくちゃカッコいいんですが、とにかく4人の生き様をそのままぶつけられるような感じに圧倒されます。
私生活でどんなゴシップをほじくり出されようが、「それが何か?」と言えちゃうような強さ。
自分なりになんで、BLACK PINKがなんでこんなに素敵で強いのか考えてみました。
そう言えば、ボクは昔めちゃくちゃももクロが好きだした。
いわゆるももいろクローバーZです。ちょうど6年前くらいの話です。
当時大学生だった、ボクはももクロの5人の名前を講義中にノートに書いてニヤニヤ眺め続けていたり、好きというより崇拝に近いハマり方をしていました。
なぜそこまで好きになったかと今になって考えれば、それはももクロの纏った物語に魅せられたからでした。
代々木公園の片隅で路上ライブをして、隣のNHKホールを眺めながら
「いつかあそこで、歌ったり出来たらね〜」
と冗談のような事を語っていた少女たちが数年後に紅白歌合戦に出てそんな夢を叶えて行く様は追いかけるファンとして、とんでもないカタルシスがありました。
紅白に行って、国立に行って。どんどんももクロは夢を叶えて行くけど、その後に続くはずの物語は行き場を無くして行っているような気がしました。
ももクロという存在が肥大化していく中で、「健気な成長譚」という物語は明らかに限界を迎えていました。
就活とか他の事で忙しくなったとか、そんな事情もありましたがボクのももクロへの関心が薄れて行ったのはそんな物語性の喪失のタイミングと思えば重なっていました。
魅力的な物語は強烈に人々を惹きつける魔法ですが、その魔法はいつか解けてしまうかもしれない諸刃の刃でもあります。
僕が好きで無くなった時のももクロは、そんな魔法無しで輝き続けられるほど当時の僕の目には魅力的に映らなかったんだと思います。
だいぶ話はそれましたが、BLACK PINKについて。
BLACK PINKはデビューした時から、物語が与えられませんでした。
K-POP界の雄のYGが満を持して送り出す、半端じゃない4人組。
まだ何者でもないはずの4人は、いきなり特大の期待と注目を背負いこんで旅立ちました。
並大抵でないプレッシャーの中で、彼女達は躍進を続けてK-POP界期待の大型新人はいつか世界にその名を知られる存在成長しました。
BLACK PINKの演者としての、恐ろしいほどの力強さはデビューした時から物語を纏わず生身で大衆の前に立ち続けた故ではないでしょうか。
そのプレッシャーに耐えうるだけのスキルやスター性を、練習生時代に修養した彼女達の凄まじい努力は驚くべきものと言えます。
先ほど挙げたももクロも、今年話題を集めたniziuも彼女たちが「選ばれて行く」過程を我々は共有していました。
だからこそ、我々は駆け出しから彼女達に思い入れ、共感しました。だから拙さや粗さが売りになります。
でも最初から選ばれた人として、大衆の目の前に立ったBLACK PINKは「本物」であり続ける以外に認められる道はありません。
その果てしなく険しい道を掻き分け続けて進んだからこその、現在の輝かしい姿があると言えます。
そして彼女達そのままの姿で大きくなったからこそ、BLACK PINKはいつまでも人間くさくいつまでも女の子であり続けるのです。
物語なく戦って来た彼女たちが、今アジアから世界的スターに羽ばたくという、類を見ないほど巨大な物語まで今から纏おうとしています。
もはやどこまで大きくなるか想像も出来ません。彼女たちの物語ではなく、神話をつくるかもしれません。
そんな事を思いながら、今夜も彼女達のイカした子守唄で眠りにつきます。
では、ラッパパッパパッパパ〜。