おめでとう貴景勝
激動の令和2年の大相撲でしたが、最後はしっかり大関が締めてくれました。
もう素晴らしいとしか言いようがありません。
差さない、まわしを取らない押し相撲一本で、ここまでの安定して強い力士は大相撲史上でも類を見ないのでは無いでしょうか。
今場所は一旦貴景勝の間合いを作って押されると、もう相手は為す術が無いという感じでした。
勝った相撲は土俵際で突き落とされるとか、はたきに落ちるとかそういった負け方が全然イメージ出来ないくらいの完璧な相撲ぶりでした。
今日の本割で負けた相撲は、慎重に行き過ぎた結果だと思います。
横へのいなしが上手い貴景勝だけに、見ながら確実に仕留めようとしていたんだと思いますが想像以上の照ノ富士のアグレッシブな攻めに後手を踏む結果になってしまいました。
照ノ富士が勢いつくような嫌な負け方でしたが、そこから決定戦への切り替えと覚悟の決め方は見ていて震えました。
今の照ノ富士は安全策で勝てる相手では無いと見極めて、一発で決めにかかるガチンコの立ち合い勝負に賭けたのは実にアッパレです。
This is 貴景勝という、相手に何もさせない完璧な勝ちっぷりはテレビで観ていて唸らすにはいられませんでした。
思えば初場所での徳勝龍戦に始まり、今年はここぞの相撲で何度も苦渋を舐めてきましたが最後の最後に見事にその鬱憤を晴らしました。
大関としての重圧についに打ち勝ち、それを「誇り」に変えた瞬間でした。
今日の勝ちで貴景勝もついに横綱の頂に挑戦する心技体を手に入れたのではないでしょうか。
口うるさい横審の声にやっと重い腰を上げそうな2横綱と軽傷をじっくり癒した2人の学士大関が戻ってくる初場所での綱取りは、かなりの茨の道でしょうが今からその戦いぶりが楽しみでなりません。
琴勝峰、豊昇龍をはじめ若い力もどんどん台頭し、来年の大相撲は本当に目が離せなくなりそうです。