合コンとの思い出

この前は街コンでしたが、今度は久しぶりに会社の同僚2人と連れだって3対3の合コンに行きました。

 

 

 

メンバーは後輩1人に同期1人。

後輩は可愛い顔して、顔面はナンバー1です。

同期もまあまあ男前で、たぶん僕が一番分が悪そう。後輩の忖度力に期待するしかありません。

 

相手側の女の子は仕事はバラバラで大学の時の友達という3人。

見た目は幹事女子が普通、友達Aがイマイチ、友達Bが可愛いという印象です。

僕の同期がやや遅れる中、少し重たい雰囲気の中でコンパはスタートしました。

 

重たい空気を身を挺して盛り上げるのが後輩の役目の筈ですが、この男は何もする気がありません。

借りてきた猫のようです。返却できるものなら突き返してやりたくなります。

 

男前風でじっくり構えておくつもりがいきなりの作戦変更です。捨て身のMCでなんとか場を繋ぎにいきます。

徐々に場が温まるなかで、後輩がノーリスクの僕へのイジリを入れてきたのにまた腹が立ちました。本当にフォアザチームの欠片もない男です。

 

同期が到着。

彼はリーチマイケル似のなかなかの好漢ですので、ここからはone teamで戦えそうです。

早速、同期は僕の獅子奮迅ぶりを察し、さりげなくMCを引き取りました。久米から古舘を彷彿とさせる見事な禅譲劇です。

 

同期の立て板に水の名調子もあり、コンパは徐々にその温度を上げていきます。

自己紹介から趣味や出身地に関するぬるま湯トークを経て、徐々にホットな恋愛トークに舵を切るさまは実に見事です。

今日は湯を沸かすほどの熱い夜になるのではと、胸が騒ぎます。

 

湯を沸かすほどの熱い愛

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こうした空気に「レンタルなんもしない人」こと後輩男も便乗し、トークに加勢します。

なんと小狡い男だと思いつつ、同期が「音速の貴公子」と漏らしたその変わり身の速さは逆に舌を巻きます。

しかし、目指すは沸騰コンパです。ここは一つ堪えましょう…

 

そうこうしている内に、時間は23:00。

栄光のためには、終電を跨ぐ二次会への架け橋を築くしかありません。

 

女子にそれとなく、二次会の話を振ると幹事とBは乗り気で友達Aはイマイチという状況。

あんまり可愛くない友達Aがゴネ出したこともあり、同期が最悪3対2での二次会突入も示唆し出しましたが、これでは僕が悔しくて眠れない夜を過ごすのが濃厚です。それだけは阻止しなければなりません。

 

交渉は一次会でまとまらず、渋谷の路上までもつれ込みます。絶対にこの長い長い下り坂の先のカラオケまで辿り着かねばなりません。

 

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なかなか決着せず困り果てたところでしたが、ここに来て二次会教団の一員の幹事女子が帰りたい友達Aへの熱烈な勧誘をかけてくれました。

その熱心な布教にAもやっと入信を決意。終電サタンの呪いを解いてくれました。

無理して、一次会をお布施として奢った甲斐があります。

 

かむながらのみちをゆっくりゆっくり下りたいところですが、気が変わらない内に足早に誘導。ほどよい暗さと広さを備えたカラオケボックスに一同到着し、ここからが本当の勝負です。

対面式の一次会から変わり、互い違いに着席した男女はこれから迎えるかもしれぬClimax Nightへの緊張感で包まれます。

 

しばしの歌による探り合いの後に、好きな人指名タイムに突入します。

交渉の末、女子が指を指す間は男子が下を向き、男子が指を指す間は女子が下を向く形式に決まりました。

男子は予想通りBに3名の指名が集中、翻って女子はそれぞれが別々の男子を指名する驚きの結果になりました。(※名前は明かしませんでしたがその結果だけ教えてくれました。)

 

この結果に色めき立った男衆は、部屋を出てトイレ会議に移ります。

しかし三者とも何だかんだ、「Bの意中は自分では…」と思い出しており案の定議論は紛糾。

スタンドプレーボーイこと後輩男に至っては、B以外絶対に嫌だと言い出す有り様です。

3人寄ってたかっての、痴を恥で洗う闘争は平行線のまま。

出口が見つからないまま、部屋に戻ります。

 

第2ラウンドに入ると、男達の視線は明らかにBに集中。誰が先に仕掛けるかの、不毛な冷戦が始まりました。

そんな空気をめざとい女子が見逃す訳がありません。自分に興味を持たれないとわかった、幹事とAは帰ろオーラを匂わせ出します。

Bもそんな匂いに誘われて、指名した意中の男の事はどこへやら(後で聞いた話によると僕の同期だったそう。)

一気に解散へと傾き、あとは野となれ山となれ

 

渋谷の街に吐き出された6人はきれいに男3女3に別れました…

 

他に当てなき男達は他に道なきと歩き、蕎麦しか無いことはない小諸そばに吸い込まれます。

浅草キッド

浅草キッド

 

 

「あの時こうすれば…」、「あんな意地張んなければ…」先に立たずの後悔の波が押し寄せる中、誰ともなしに呟きました。

「またこのメンバーで合コンして、今度は良い思いしましょ!」

 

僕にはその愚にもつかない言葉が、映画の名セリフのように聞こえました。

チューハイの泡にはじけそうなその約束は、「まだ始まっちゃいねえよ」と負け犬の僕らの背中を押すようでした。

気付けば時刻は午前4時。また短い夜が終わろうとしていました。

 

 

今回の教訓

「合コンで大事にするのは、可愛い子より可愛くない子」